2008年07月18日

愛の奇跡の物語 第1章 愛の力




こころのチキンスープ―愛の奇跡の物語笑ちゃん,中村彰吾,教育,本,良書

人類が空間、風、水、地の力を自由に使いこなせるようになった時

今度は愛の力を神のために使う日がやって来る。

そしてその日こそ、第2の火の発見日となるだろう。

人類の新しい歴史が始まるのだ。

ティヤール・ド・シャルダン

こころのチキンスープ―愛の奇跡の物語笑ちゃん,中村彰吾,教育,こころ,心P3より引用



ホームレス

その老婆は、五番街にある郵便局で寝泊りしていた。郵便局に近づいただけで、老婆がいる公衆電話のあたりから、汚れ切った服に染み込んだ尿の臭いと、ほとんど歯の抜け落ちた口から漂う口臭が鼻をついた。老婆は、ほとんど眠っているか、そうでなければ意味のないことをつぶやいていた。

ところが最近になって、郵便局ではホームレスの人たちを追い出すために夕方六時になるとドアを閉めるようになった。寝場所をなくした老婆は、道端でうずくまって寝るようになった。まるでちょうつがいがはずれたかのように口をダラッと開け、相変わらずブツブツとひとりごとを言っている。ただ、悪臭はそよそよと吹く風でかき消されていた。

感謝祭の夜。パーティはまだ続いていたが、老婆のことが気になった私はたくさん余ったごちそうを箱に詰めると、五番街へと車を走らせた。外は枯葉が舞う寒い夜だった。人影はほとんど見られず、暖かい家もなく感謝祭のごちそうの配給にもありつけなかった不運なホームレス達の姿をちらほら見かけるだけだった。

でもなぜか私には、老婆がやっぱり例の場所にいるに違いないと思えた。

案の定、彼女は郵便局の隣にある公園の柵に寄りかかって座り込んでいた。その年老いてすっかり曲がった身体を、相も変わらず何枚も重ねたウールの服で包んでいた。痩せ細ってゴツゴツした手は、全財産を積んだショッピングカートをいかにも大事そうにしっかり握っている。

「どうしてビルの玄関口のくぼみで冷たい風を避けないのかしら?」と一瞬、不思議に思ったが、きっと、そんなことは考えもつかないのだろう。

私はピカピカの車を歩道の脇につけると、窓を開けて老婆に話しかけた。

「母さん…。あのね…」

何ということだ!?無意識に「母さん」と言ったことに我ながら驚いた。でも考えてみたら、ずっと以前から、そして今も、ある意味で彼女は私にとって母親としての存在だったのかもしれない。

もう一度「母さん」と呼びかけた。今度は何の抵抗も感じなかった。

「母さん、今日は感謝祭ですもの。ごちそうを持ってきたわ。七面鳥と詰めもの、それにアップルパイもあるわよ。食べない?」

それを聞くと老婆はやっと顔を上げて私を見た。そして、はっきりした声で返事をした。下あごの2本の歯がぐらぐら揺れていた。

「おや、ありがとうよ。でもね、お腹が一杯なんだよ。どうか、もっとお腹をすかせているかわいそうな人たちに、持っていってあげてくださいよ」

その話し方には、威厳を感じさせる何かがあった。そしてそれだけ言い終わると、あたかも何もなかったかのように、ぼろぼろの服に頭を深々と埋め、また眠りに戻っていった。

ボビー・プロブスタイン

こころのチキンスープ―愛の奇跡の物語笑ちゃん,中村彰吾,教育,本,良書P50-P52より引用


教育現場にぜひ取り入れてもらいたい良書です。

お子さんをもつ親にぜひ読んでもらいたい良書です。

感想などで変な先入観を持ってもらいたくなかったので、各章一番グッときたお話を引用という形で紹介していきたいと思います。

これを読んであなたは何を感じましたか?

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